第217章 彼女は古武術者!

橘結衣は田中未菜たちに別れを告げ、山頂へ近づけば近づくほど、登山道から人の気配が薄れていくのを感じた。

夏の陽射しは容赦がない。汗は滲んだが、体力はまだ残っている。残りの水を最後の半分ほど飲み干し、顔を上げた。

山頂は、もう目の前だ。

橘結衣は歩調を上げ、風を切るように山頂へ向かう……。

あと少し。

最後の段を踏みしめた、その瞬間――橘結衣はぴたりと足を止めた。

正面に、男が三人。

全員が黒ずくめだった。ひとりは仮面をつけ、残る二人も黒い布で顔を覆い、露出しているのは目だけ。

その三つの視線には、どこか愉しむような笑みが混じっている。

先頭の男は、手の中で刃物を弄んでいた。...

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